2015年1月17日土曜日

返還請求訴訟⑨ 東京地方裁判所(第一審)の判決文(抜粋)(8)



<解説>

第一審(東京地裁)の判決文では、永代供養料については全額の返還を命じていますが、納骨壇申込金については9割の返還を命じました。その算出の根拠となる部分を抜粋します。

<判決文の抜粋>

8 争点7(不当利得及び原状回復義務の範囲等)について

2)納骨壇申込金について

(途中省略)

このような観点から考えるに、本件納骨壇使用契約の締結から上記解約まで、57か月~77か月程度の期間が経過しており、その間はいずれの納骨壇においても実際に遺骨は収蔵されていないものの、被告において、原告らのために各納骨壇を割り当て、碑銘を入れた金属製プレートを納骨壇の扉に取りつけるなどして、原告らによる使用に委ねていたのであり、これに見合う対価相当部分は返還義務の対象とならないというべきである。他方、実際に遺骨を収蔵するという納骨壇としての本来的な意味での使用はいまだ開始していないこと、永代【(旧)半永久的】とされる期間を合理的に画して仮に100年だとしても、経過期間は57%程度にすぎないこと、碑銘を入れた金属製プレートの取付料の実費はさほど大きなものとは考えられないこと、被告は納骨壇のシフトアップに係る納骨壇の変更(旧納骨壇に着目すれば解約にほかならない。)を認めており、単独での解約についてのみ不利益取扱いをすべき実質的な理由を見いだせないこと等を総合すると、納骨壇申込金の1割に相当する金額を控除してこれを返還させるのが相当である

   なお、原告Bは平成22926日に開壇式を行っているが、開壇式の実質的な意味は納骨壇を親族に披露するためのものと認められ、開壇式の有無によって異なる取り扱いをすべき理由はないというべきである。

 

<解説>

 この中で金属プレートの取付け等にかかる実費は大きなものではないとされています。また「永代」の意味を100年間とすることで、申し込んでからそのうちの何パーセントが経過したかという計算式の算定方法も示されています。これらの分を差し引いた金額が、返還されるべき金額であるというので、申込金の9割が元信者に返されるべきだという判定がなされました。

なお、開壇式を行っていても、それは身内へのお披露目に過ぎないから、焼骨をいまだ収蔵していない場合には開壇式の有無は返還される金額に影響を与えないと判断されています。

これから納骨壇申込金の返還を求めたい人は、以上の計算式で、おおよその金額が割り出せると思います。

この裁判はいま最高裁に舞台を移しています。最高裁の判決は、遅くとも年内に出ると思われます。裁判のゆくへはK会被害者の現実的な救済に直結するものだけに、重大な関心をもって見守って行きたいと思います。

 

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