2013年5月26日日曜日

人生からの問いかけ<種村トランスパーソナル研究所通信>



フランクルから学ぶこと

 
  未来への希望を失うと内面の崩壊が始まる

フランクルという心理学者は、自己超越を目指した方です。トランスパーソナル、すなわち超越心理学の先駆けとなる方です。

アウシュビッツに収容され、苦悩のさなかを耐えぬいて、収容所仲間の幾人かの自殺を思いとどまらせながら、正しく生き抜いたフランクル。彼の言葉は、しばしば極限状態において生き抜くための力を与えてくれます。

フランクルは、強制収容所のような極限状態に置かれて精神が崩れていく人は、一つの特徴を持つと言います。「将来に向かって存在することができない」という特徴です。未来への希望を持てず、将来が全く描けないということです。

そうなると人間は大きく変化します。それも「彼の内的生活の全構造が変化する」。そして「内的な崩壊が生じる」とフランクルは述べています。つまり人間は未来を失い、未来を信じられなくなると、「内的な崩壊」を始めるのです。

人生は時として、未来への希望をほとんど失う経験をすることがあります。うつ状態になると、この絶望がどこまでも延々と続くとしか思えません。その時は、希望という言葉が死語のように思えます。

そうした時には、しばしばアイデンティティ(自己同一性)の崩壊を経験します。エジプトの聖王オシリスがばらばらに刻まれて、体の断片をあちこちに捨てられたために、イシスがそれを拾い集めてようやく復活させたという神話があります。アイデンティティの崩壊は、自分がばらばらの断片になるような深刻な経験です。散らばった自分を、いったい誰が集めて復活させてくれるのでしょうか。

現在、失業や病気、離婚、失恋、災害、その他の出来事をきっかけにうつ状態に落ち込んだ人は、そうした苦しみを抱えていらっしゃるかもしれません。しかし、人間はそれでも生きていかなくてはなりません。

そんな時にしばしば襲い来る自殺の誘惑に打ち勝って、生きいくためには、いったいどうすればいいのでしょうか。どうすれば崩壊した心の断片を拾い集め、蘇ることができるのでしょうか。

 

  人生は何を我々から期待しているのか

フランクルは収容所の中で、「私はもはや人生から期待すべき何ものも持っていないのだ」と絶望し、自殺しようとしていた3人のユダヤ人に出会いました。彼らは自殺を止めるフランクルが心理学者であることを知ると、どうすればいいか教えてくれと問いました。彼は言いました。

「我々が人生の意味を問うのではなく、むしろ人生が何を我々から期待しているか、それこそが問題だと思う。」

フランク言葉を聞いたユダヤ人は、自殺を思いとどまり、生き延びることができたといいます。

人生が私たちに期待している。その期待にどうこたえるのか。そうした発想で人生をとらえると、生きてゆこうという意志が生まれてきます。
 
「人生というのは結局、人生の意味に正しく答えることと、人生が各人に課する使命を果たすこと、日々の務めを行うことに対する責任を担うことに他ならないのである。」(『夜と霧』)


 
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