2013年5月29日水曜日

カウンセラーの役割とは<種村トランスパーソナル研究所通信>


心の成長とカウンセリング

 
 カウンセリングは心理療法とも言われますが、カウンセリングで心が癒されたり心の問題が解決する治療モデルは、医学のモデルとは異なります。


 医学モデルは次のようなものです。症状があると、医者による検査・問診が行われ、それによって病気の原因(病因)が特定されます。この医者の診断に基づいて病因の除去・弱体化のために治療が行われます。これが医学モデルです。


 フロイトはこの医学モデルを精神分析に適用しました。フロイトの精神分析では、症状の訴えがあると、患者を面接し自由連想を使って病因を発見します。次に情動を伴う病因の意識化をすることにより、治療します。


でもこの方法は効果がないようです。つまり心の問題には医学モデルの適用が難しいのです。


 心の問題を扱う方法として、他には教育モデルがあります。教育モデルでは、問題があると、まず調査・面接をして原因を発見します。そして助言・指導により原因を除去することで問題の解決を図ろうとします。

 カウンセリングの治療モデルは、この教育モデルとも異なり、成長モデル(もしくは成熟モデル)と呼ばれています。

成長モデルとは、クライアントの問題・悩みに対して、治療者の態度により、クライアントの自己成長過程が促進され、それにより問題の解決が期待されるというものです。つまり、カウンセリングはクライアントの自己成長の力に頼るのです。カウンセラーがいることで、クライアントの自己成長の過程が促進されるのです。

この自己成長の内的過程のことを「変容」と言います。変容とは心の科学変化です。カウンセリングによって、クライアントの心には質的な変化が生じ、心の成長・成熟がおきるのです。それには条件があります。

 カウンセラーの創る治療の場のことを「磁場」と言います。この磁場は「自由にして保護された空間」です。「自由にして」の意味は、そこでは何を言っても許されるということです。「保護された」という意味は、さまざまな意味で安全であるということです。この磁場をカウンセラーは創り上げ、クライアントの心の奥にある自律的な力に頼りつつ、クライアントが生き方の新しい方向性を見出そうとするのを支えていきます。よい磁場ができると、実際にカウンセリングでクライアントの心が成長し、それに伴って症状や問題が解消されたり改善されていきます。

 ここでカウンセラーは、クライアントの心の中で生じる自己成長の内的過程(変容)を促進する「触媒」の役割と、その内的過程(変容)がおきる「容器」の役割を果たします。

 ですから、カウンセラーにある種の治療理論があり、クライアントにそれを適応することで治そうとするのではないのです。そうした医学モデルではなく、クライアント自身の成長する力を信頼してそれに頼り、見守るのがカウンセリングなのです。これが成長モデルの意味です。

 河合隼雄氏はカウンセラーに対して、次のように警告しています。

「クライアントが自己分析を行うのを援助するために傍らにいるのが分析家(カウンセラー)なのであり、既存の理論を『適用』するためにいるのではないのである。」「治療者(カウンセラー)はクライアントの内的過程が生じるための容器として存在しているのだが、そのためには、自分の限界をよく知っておくべきである。」(「心理療法序説」)

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