2013年4月25日木曜日

<心の探究シリーズ14>幼少期の心の傷


生まれたときの悲しみを探る

 
ここにご紹介するのは、Aさんの授業の際に、私がAさんの母親の意識とのロール・レタリングをした記録です。

Aさんには、最初のころ、根深い自己否定の思いがありました。カウンセリングをして行くうちに、その原因が、どうやら幼少期の体験にあるらしいことが分かってきました。

そこで、母親がどのような気持ちでAさんを育てられたのか、カウンセラーがロール・レタリングの手法で対話して、それをAさんに見てもらって、さらに心の探究を深めるという方法をとりました。

なお、母親との対話の後、私は自分の深層潜在意識の意見も聞いてみました。それも後半に紹介させていただきます。

今の時代は、幼少期に心の傷があり、それがさまざまな人格障害の原因になっていることが多くみられますので、Aさんの関する内容が、参考になる方もいると思います。

今回、Aさんの御厚意で、特別に許可を得て、紹介させていただきます。

 
なお、こうしたロール・レタリングの内容は、それが正しいかどうかよりも、クライアントの心の成長に役立つかどうかという有効性で価値を判断しています。この時の内容は、カウンセリングの際に意味があったものです。

なお、ロール・レタリングというのは、あくまでも心理学的な手法ですので、宗教的な霊降しとは違いますので、その点は混同されないでください。

 
<カウンセラーによるAさんの母親との対話>

 
種村 お母さん、どんなお気持ちだったのですか。A君を生まれたときは?

母親 嫁に来て姑との間でとにかく大変で、小さくなっていました。主人は仕事、仕事で私のことを気にかけてくれず、孤独で寂しい気持ちで苦しんでいました。やっと子供が生まれたと思ったら、死に掛けの猿みたいな顔をした赤ん坊で、この子が幸せになるのだろうかとても不安で、「こんな子に産んでしまって、お母さんを許してね」という罪の意識を持ちました。姑は、「なんだこんな子を産んでしまって」という目で私を見たので、本当につらかったです。生まれてすぐは、しばらく子供と離されていたためか、私もなかなか可愛いという気持ちが起きなくて、本当に申し訳なく思います。

種村 でも、生まれてきた子の責任でも、あなたの責任でもないですよね。

母親 姑からは駄目な嫁扱いで、主人が味方してかばってくれなくて、私は安住できる居場所がなかったのです。それで子供を産んでやっと母親としての立場が持てたはずなのに、結果はさらに居場所がなくなり、肩身の狭い思いでいました。この子には悪いことをしたと思うのですが、気持ちに余裕がなくて、この子に関心を十分に向けてあげられず、この子の求めているものをきちんと受け止めて上げられなかったと思います。

種村 子供さんは、赤ちゃんの時に母乳を吐いたそうですが、あなたの精神状態はいかがでしたか。

母親 ごめんなさい。姑を見返してやりたかったのにできなくて、悔しかったのです。それで悔しくて、チクショウって思っていたのが悪かったと思うんです。母乳にその思いが入ったのかもしれません。「悔しい、お前なんか生まれてこなければよかった」・・・それが母乳に入ったら、この子は死んでゆきますよね。でもこの子が悪いんじゃない。私がそれだけ追い詰められていたのです。本当に申し訳ないことをしたと思います。この子が不安で、いま一つ自信がない子に育ったのは、このときの私の心の状態が影を投げかけたと思います。本当にごめんなさい。

 
<カウンセラーの深層潜在意識との対話>
 
種村 深層潜在意識さん、彼はこのことを、どのように受け止めたらいいのでしょうか。

深層潜在意識A 赤ちゃんの時の気持ちを吐き出させてあげると、彼の心の傷が癒えてゆくと思います。自分のせいではないのに、自分の存在が周りを、特に母を不幸にしたのだから、「生まれてきてごめんなさい、僕ってごめんなさい、もう死んだほうがいいのかな」と思って、母乳を飲まずに死んでゆこうとしたのです。人生のスタートで。

だから彼は優しいのですよ。

「あなたを歓迎しますよ」、という思いが愛であることを、彼は知っているから。それがほしかったのに与えられなかったから。

でもね、お母さんの立場に立ったらわかると思うけど、彼のせいではないんですよ。これが分かったらお母さんを許せるよね。おばあさんだって、にくい嫁の子だから可愛くないという思いだってあるんですよ。女同士の憎しみの中に身を置くというのが、この人の人生のスタートにあったということですね。だから祖母の事も理解してあげないといけないと思いますよ。

 
種村 彼がこうした状況に生まれてきたことの意味はなんなのでしょうか。

深層潜在意識B 彼は自分の存在に自信を持てないので、自分を強く打ち出すことを恐れて出来ない性格に育ちました。「受け容れられないのではないか」という「不安」があるからです。

彼が自分を磨いて自分を輝かせていけば、二人の女性はともに喜ぶのです。そうすれば周りを幸せにできるのです。低いスタートから出発して自分が幸せに輝くことで、周りを助け、それによって周りを幸せに出来るのだという自信をつけてほしいのです。勇気を持って自分を打ち出し、強くなって周りを幸せにしていこうと思ってほしいのです。
 

(コメント)

 
母親の意識との対話で出てきた内容は、Aさんに確認したところ、ほぼそのとおりだったと思うということでした。

ちなみに「チクショウ」という言葉は、母親の口癖だったそうです。私はそのことを知りませんでしたが、今回、内容のチェックを依頼した際に、そのことを教えてもらいました。Aさんがそれについて触れたメールの内容を、次にご紹介します。

人の心は、つながっていて、離れていてもお互いにキャッチできることの、一つの事例になるかと思います。
 

Aさんからのメール>

「ちなみに、種村さんのロール・レタリングに出てくる、
母親の、「チクショウ」という言葉は、母親の口グセでした。
そういう影響もあってか、チクショウという言葉は私の子供の頃の口グセにもなってしまいました。
もちろん今はありませんが。
大変おもしろい現象だなあと思って、種村さんのロール・レタリングの文書を拝見していました。」


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