2012年10月24日水曜日

恐怖の呪縛「中国による侵略の危機」を考える

日本の未来は暗くない 

1.恐怖の予言による呪縛

中国からの侵略の恐怖。私もHS(ハッピー・サイエンス=幸福の科学)にて学んでいる中で、相当根強く植え込まれました。

しかし、私のように大川隆法氏の亡国の予言や国防の危機を説く書籍を熟読した人間には、HSとは距離を置いているものの、内心の不安は避けられない面があります。

最近聞いた話です。ある家庭では、久々の家族そろっての夕食時に、会員のご主人が話す話題といえば、「日本は中国に占領される。富士山が爆発する。」といった恐怖の話ばかりだったそうです。せっかくの団欒がすっかり暗くなって、さすがに家族が怒り出したそうです。恐怖心は家庭の団欒も破壊していくことを知り、これはいけないと思いました。

中国による日本占領の予言。この恐怖に対抗するには、やはり一定の正しい知識が必要ではないでしょうか。私はそう思います。

2.神の与え賜うた試練

私は岡崎久彦著『二十一世紀をいかに生き抜くか』(PHP)を読みました。これは私にとって、知的な解毒剤になりました。

岡崎久彦氏は日本が誇る最高の知性のお一人であり、国際情報分析での最高権威として、私は尊敬してまいりました。この方が、キッシンジャーの名著『外交』を解説する形で、「近代国際政治の潮流と日本」について説かれた本書は、中国問題を考える上での知的な定点を与えてくださるものでした。
ここで学んだことを、ごく簡単に紹介することは、同様の不安を持つ読者の皆様のお役に立つと思います。

私が感銘を受けたことの一つは、アメリカに流れるある尊敬すべき精神の存在です。2010年中国の急成長による脅威の増大に対して、アマコースト元駐日大使が書いた文章は、私の目を開いてくれました。
アマコースト元駐日大使は、彼の学生時代にソ連がスプートニクを打ち上げ、アメリカが衝撃を受けたあと、アメリカが政治や教育の襟を正して努力を重ね、ついに正当な競争力の増大によってソ連に打ち勝った事実を指摘した後、中国との競争に対して、こう書いています。

「われわれは長く、教育水準の低下、財政の赤字、創造性の源たる移民の抑制、ワシントン政治の混迷を放置してきた。アメリカ人は、競争力のある国民である。
われわれは中国からの競争を歓迎しなければならない。
それは克服できない試練ではない。

岡崎久彦氏はこれを受けて、こう言います。(第8章)

外国からの競争を神の与え賜うた試練、それも自らを向上させるための試練と受け止めて、正面からそれに立ち向かうという精神、それがアメリカ人のなかに脈々と流れているとすれば、アメリカはまだまだ頼むに足る国である。

私は日本も、中国からの挑戦を受けてたち、戦後体制の脱却のための努力を本気で払って、立派な競争力のある国へと生まれ変わるべきだと思います。

中国は決して他の国が尊敬したくなる国ではありません。しかし、日本は他の国が尊敬して真似したい国になる可能性を持っています。ゆえに気概を持って、中国の覇権主義という試練に立ち向かうべきです。恐怖心でもなく、負け犬根性でもなく、誇りある国としての気概を持ってこの試練を、向上の機会、国家改革の機会と捉えるべきだと思います。

3.アメリカの力の評価

アメリカの帝国としての衰退が、どの程度の速度で生じるのかという問題は、どうしても気になることです。

岡崎久彦氏は、イギリス帝国の衰退がささやかれ始めてから、半世紀以上も力が持続したことを指摘しています。その間、イギリスと敵対した国が敗北と衰退を余儀なくされてきたと指摘しています。

ではアメリカはどうなのでしょうか。岡崎氏はこう言います。(第5章)

「これ(イギリス)と現在の米国を較べてみると、比較的国力が衰退しつつあることは事実であるが、国力ではもはやアメリカやドイツの競争に敵わなくなっていた大英帝国とはまだ状況が違う。遠い地平線に中国が追いかけてくるのが見えるが、第一次大戦前の英独関係のような危機に至るにはまだまだ時間がかかる。
 米国の衰退は、それが事実としても、それは半世紀続く長期的潮流の一部であって、ここ十年、長くても二十年のことを考えねばならない日本の外交において、これを理由に日米関係を軽視することは無用のことであり、日本の今後にとって危険極まりない。」

アメリカはオバマ政権の下でも、クリントン国務長官の努力により、中国の封じ込めの戦略へと軌道をシフトしたことを岡崎氏は指摘しています。そうした中での日本のとるべき選択は、アメリカとの同盟を強化し、特に集団的自衛権を明確に認めることであると指摘しています。これは十分に可能性のあることであり、政治日程に上りつつあることのように思えます。

アメリカは覇権国家です。覇権国家はナンバーツーが出てきたら、これを潰そうとします。かつてアメリカはソ連と戦い、ソ連は崩壊しました。その後アメリカはクリントン大統領の下で、日本と経済面で争い、日本はバブル崩壊でつぶされました。いま、中国がアメリカとの覇権を争う構えを見せています。これをアメリカは許しません。それが覇権国家です。これは岡崎氏の重要な指摘です。

岡崎氏は中国について考えられる未来のシナリオを5つ上げていますが(第12章)、いずれにせよ世界の覇権国家アメリカとの同盟関係を強化し、集団的自衛権を認めて対処すれば、対処は十分可能であるというのが彼の見解です。そのためには、日本はこの二十年間の停滞を脱却しなければなりません。停滞をもたらした最大の要因であったアメリカの日本への敵意はない、という事実が重要です。つまり停滞をもたらした環境は、もはや存在せず、アメリカとの同盟関係を強化しつつ経済的にも政治的にも軍事的にも発展することは可能なのです。これも岡崎氏の大きな示唆でありました。

こうして岡崎氏の分析を読むときに、私は大きな希望を感じました。日本人の気概の回復は是非とも必要だと思います。私は、未来への希望、そして日本人としての気概の回復を持つことが出来ました。

4 件のコメント:

  1. 幸福の科学の中国脅威論は、何割かは正しいですが、おかしいところも多分にあります。
    中国が軍拡を進めていることは確か。脅威であることは確か。このまま、10年前後、日本が何もしなければ、「占領」される可能性もないことはありません。

    しかし実現党は、話が飛び過ぎです。「日本を救えるのは私たちだ」という方向に持っていこうと焦るあまり、中国は怖い、ひどい国だ、日本もこのままじゃ占領される、と。何かというと、占領占領、といいます。

    彼らはむしろ日本が占領されるのを望んでいるのではないか?そのなかで、やっぱり幸福の科学は正しかったと、認められヒーローになることを夢見ているのではないか?日本を守りたいのではなく、自分らが認められたいのではないか?自分らを評価しない世間を見返してやりたいのではないか?


    中国の軍事力は注意が必要ですが、日本の自衛隊も決して弱くはありません。今日本に必要なのは、正しい軍事知識に基づく自主防衛論です。

    実現党は、軍事経験者はおらず、釈さんの話を聞いても軍事知識については、にわか勉強の域を出ていません。幼稚です。

    実現党の主張にも正しい面はありますが、国防論、外交論については、他の優れた識者の本を読んだ方がいいと思います。個人的には、田母神さん、渡部昇一さん、日下公人さんなど保守系の本がいいと思います。

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    1. 投稿いただき有り難うございました。仰るとおりだと思います。
      この問題で恐怖心を植えつけられている方は、相当多いので、
      もしそうした恐怖心をもたれ方に対して、その解消につながるような、きちんと根拠をあげての投稿をいただけましたら、多くの方々に役立つと思います。ご一考ください。

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. 映画「ファイナルジャッチメント」では、日本の上空に戦闘機があらわれ、数分後には街頭のビジョンで占領宣言されいます。映画としては面白いかもしれませんが、本当に起こる可能性はかなり低いです。

    だいたいあの戦闘機はどこから飛んできて、どこに着陸したんでしょう。戦車も出てきたような覚えもありますが(出てこなかったすみません)どこから持ってきたんでしょう。致命的なのは自衛隊がまったく出てこないことです。いくら憲法9条があるとは言え、あの非常時に、自衛隊が誰ひとりとして、何もしないというのも考えにくいです。

    実現党は、中国の軍事力を過大評価しすぎ、日本の軍事力や政治家を過小評価しすぎ、最後に自らを過大に評価しすぎ、なのです。ここがおかしいのです。とにかく日本を守りたいというより、自分らがヒーローになりたい、認められたい、という気持ちが強く、焦っていているので、冷静な分析ができないのでしょう。

    僕の知る限りでは、軍事の専門家は、中国が今すぐ日本に仕掛けてくる可能性は低いと見ています。今のところ、軍事力で言えばアメリカ>日本>中国、だからです。

    問題は、あと10年くらいすれば、(もっと早いかもしれません)この軍事力の力関係が逆転する可能性があるということです。そして、日本には核兵器がないことです。

    今日本は、戦後タブーにしてきた「核」や「軍事」について真剣に議論しなければならないのです。これが、日本の課題です。「中国にはもう勝てない⇒やっぱり幸福実現党しかない」とか、そんなことではないのです。

    個人的には、さしあたり日米同盟を守りつつ、アメリカがあてにならなくなったとしても、自主防衛できるような道を探っていく、方向がいいと思います。

    大体、宗教団体が、人を不安にさせることを言ってどうするんでしょう。放射能が怖いと煽ってるメディアと変わりません。

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